もう随分前から本殿の彫刻が落ちたままになっていました。なぜ修復しなかったと言いますと、あまりにもバラバラの状態で修復する術を見い出せずにいたからです。築200年になる本殿の彫刻は全て金釘で留めてあります。鉄は錆び殆どの彫刻が落下の危険性があり、現にこの10年で3つの彫刻が落ちました。それらは私が工面しながらなんとか元の位置に戻すことができたのですが、実はそれとは別に以前落ちた彫刻が我が家に保管されたままになっていたのです。
さすがにこれは無理だな!
彫刻家に新しく作ってもらうしか方法は無いだろうと思えるほどバラバラな状態です。
話は変わりますが私の娘がレジン液と言うアクセサリーを作る素材に興味を示し、一緒にアクセサリー作りを体験しました。透明な液体なのですが、紫外線をあてると数十秒で固まりプラスチックの様になります。
娘はその後定期的にレジンでアクセサリーを作っていますが、ふとその様子を見ていた時思いつきました。壊れた彫刻をレジンで修復したら良いのではないかと。
で、やって見たらご覧のとおりです!
レジン液は接着と補強を同時に出来る優れものだと言うことです。
ただ難点は木材に染み込んで色が変わることと、表面がテカテカしてしまう事ですね。ある程度強度を持たせるためには広い範囲に塗る必要がありますが、見た目が悪くなります。今回初めてレジン液での修復を試しましたが、より良い方法や素材を見つけるヒントとなったのは確かです。
数十年ぶりに麒麟が帰って来ました!